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「食べること」「話すこと」を支える歯科医療


人が健康であるための主要素は、栄養・運動・休養であり、歯科医療は特にこの内の栄養に深く係わります。つまり全身の健康のために、栄養器としての 口の働きを保つことや高めることが大切なのです。誰でも家族や親しい友人と楽しい会話を交しながら、おいしく食事をとりたいと思うのではないでしょうか。

皆で過去の思い出を振り返る時も、旅先などで食べた物が話題の中心となることはめずらしくありません。病床に伏している方や、口から食べることがで きずに点滴で補給している方ではなおさらです。同じ栄養分を摂取するのに、口からと経管とで明らかに患者さんの反応や回復が異なるのは、口から食べる方が 脳や腸管が刺激を受け神経が高ぶるからと言われています。

歯を含めた口の機能は噛み食べ味わうことだけでなく、会話をすること、呼吸をすること、さらに喋り歌うことや笑い泣いて表情を表すことなど多岐にわ たり、人の生活や営みを支えています。近年の調査研究などで明らかになってきたのは、歯と全身の健康との関係と、歯の数や噛む機能の重要性です。よく噛む ことが大切なのは昔から広く知られていて、小児・学齢期には顎骨や味覚の発育を促し、脳の血流量を増やして脳細胞の働きを活性化します。また成人・壮年期 には肥満やストレスを軽減して生活習慣病を予防し、高齢期には老化やぼけの予防に繋がるとの報告があります。

歯と口の働きを維持することで、県民の皆さんの健康度や高齢者の自立度を高め、結果的にこのような効果をもたらすことを、私たちはもっと認識すべき ではないでしょうか。また、たとえ歯を失っても、入れ歯やインプラント治療などにより、噛む機能を回復する必要があることは言うまでもありません。

会長 柳川忠廣