グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



TOP >  静岡県歯科医師会コラム >  口腔ケアによるインフルエンザ予防

口腔ケアによるインフルエンザ予防


毎年一千万人以上がインフルエンザに罹っています。頭痛、鼻水のほか、38~39度を超える発熱や関節痛など全身の症状を伴い、高齢の方や乳幼児の場合は、重症化して肺炎などを併発し、死亡することもあるため注意が必要です。 インフルエンザの予防対策として有効な手段としてワクチン接種があります。しかし、ウイルスは毎年のように小さな変異を繰り返すため、100%予防することは難しいとも言われています。 ワクチン以外で、インフルエンザを予防するための対策として、 (1)十分な栄養と休養をとる (2)人混みを避けるようにする (3)室内の乾燥に気をつける (4)マスクの着用 (5)手洗いうがいの励行 などがあります。  しかし、「歯磨き・口腔ケア」が予防効果を高めることはあまり知られていないようです。 駿東郡長泉町で開業されている米山歯科クリニックの米山武義先生らが発表された研究では、ワクチン接種後、口腔ケアを行ったグループと行わなかったグループの比較をすると、口腔ケアを行ったグループではインフルエンザの発症リスクが10分の1であったと示されています。(表を参照)
毎年一千万人以上がインフルエンザに罹っています。頭痛、鼻水のほか、38~39度を超える発熱や関節痛など全身の症状を伴い、高齢の方や乳幼児の場合は、重症化して肺炎などを併発し、死亡することもあるため注意が必要です。 インフルエンザの予防対策として有効な手段としてワクチン接種があります。しかし、ウイルスは毎年のように小さな変異を繰り返すため、100%予防することは難しいとも言われています。 ワクチン以外で、インフルエンザを予防するための対策として、 (1)十分な栄養と休養をとる (2)人混みを避けるようにする (3)室内の乾燥に気をつける (4)マスクの着用 (5)手洗いうがいの励行 などがあります。  しかし、「歯磨き・口腔ケア」が予防効果を高めることはあまり知られていないようです。 駿東郡長泉町で開業されている米山歯科クリニックの米山武義先生らが発表された研究では、ワクチン接種後、口腔ケアを行ったグループと行わなかったグループの比較をすると、口腔ケアを行ったグループではインフルエンザの発症リスクが10分の1であったと示されています。(表を参照)
では、なぜ口腔ケアがインフルエンザの予防に効果があるのでしょうか。それは口腔内の細菌が鍵を握っています。 日本大学歯学部の研究によると、歯垢に含まれる細菌が作り出す酵素(プロテアーゼ、ノイラミニダーゼ「NA」)が粘膜を覆っているタンパク質を破壊し、インフルエンザウイルスが細胞に侵入するのを手助けし、ウイルスの増殖や感染を拡大するということが分かりました。そこで口腔ケアにより歯垢を除去して、感染を助長させる細菌を減らせばインフルエンザの発症や感染拡大が抑えられるということになります。  インフルエンザの予防対策として従来のワクチン接種、手洗いやうがいに加え、しっかりとした歯磨き指導を受け、口腔ケアを行うことにより予防効果を高めることが期待できるようです。
理事  栩木 厳也